「あら、お目覚め? ……コホン! えー、おはよう。
 ……そして……はじめまして」

彼はこの世界に生まれた。

世界は球体の内側に存在した。

世界の中心には空がある。

世界の空の向こう側には黒き森がある。

そんな世界。

世界には生活があった。

世界には掟があった。

世界には出会いと別れがあった。

世界には優しさがあった。

この世界に生まれさえしなければ、
彼はここまで考えなかったのかもしれない。

自分が何をするのだろう。
自分には何が出来るのだろう。と。

彼が生まれた世界の名前は──“ハザマ”