ストーリー導入


  この国はかつて、経済大国と呼ばれ、
一時の栄華に酔い痴れていた。
時が流れ、泡沫の繁栄は夢幻の如く消え、
後には不安や恐れ……

負なる混沌が人々の心に影を落としていた。
蓬莱町――。
昭和と言う時代の最中、
この町はある一族によってもたらされた
刹那の栄華に活気付いていた。
昭和の時代が終わりを告げると、
その栄華も今昔の様相となる。
今では花が枯れていく様に似て、
萎れ、色褪せていた。
 




寂びれ逝くこの町で今、ある事件が起こっていた。


『神隠し』





  蓬莱町の住人が突然行方不明になる……
謎の事件。
そして、事件は『神隠し』にあった者達の
突然の帰還によって、更なる混迷をみせる。

突如凶暴化し始めた『神隠し』の被害者達。
事件と時を同じくして現われ始めた謎の集団。
町の片隅で夜な夜な起こる起猟奇事件。

名状しがたい闇が、
この地を包み込もうとしていた。
蓬莱に住む高校生、葛葉 翔は、
いつ壊れるともしれぬ平穏の中、
姉の部活の先輩である水無月 春霞と出会い、
密かに淡い想いを募らせる。
そんな中、翔は春霞に誘われて訪れた
廃墟の地にて、偶然にも不可思議な力を秘めた
紅い指輪を発見する。

指輪発見を境に次々と起こる信じがたい現象、
事件の数々……。
それらはやがて、この蓬莱の地をも巻き込んだ
大事件へと発展していく。
 




霧の中に包まれた謎の果てに……運命の扉は静かに開かれていく。

『刻無 零』――それは終わり無き始まりの刻。

紅き光が照らし出す真実に、数多の罪が蠢く……。